社会福祉士国家試験科目「心理学と心理的支援」の基本情報と勉強のコツ

各科目ポイント

こんにちは、well-bingです!!大学で福祉を学び、社会福祉士と精神保健福祉士を取得しました。皆さんに少しでも福祉分野に興味・関心を持ってもらったり、この情報によって自分らしい生活を送っていただくために今はブログ活動しています。

社会福祉士国家試験の「心理学と心理的支援」という科目は人の名前や理論の覚えることが多く、すごく覚えにくいという方も多いと思います。また、試験範囲が広く、似たようなものが多いため、しっかりと整理して覚える必要があります。しかし、一つずつ噛み砕いて理解していくと、点数が取れるようになってきます!!
そこでこの記事では、「心理学と心理的支援」の概要と、押さえるべきポイント、効果的な勉強法を分かりやすく解説します。この記事を読むことで、試験合格に近づくだけでなく、学びの楽しさも感じられるでしょう。


心理学と心理的支援とは

まず、この科目の基本的な位置づけを理解しましょう。この科目では、以下の2つの視点を中心に学びます。

  • 心理学: 人の行動や感情を科学的に解明する学問
  • 心理的支援: 心理学の知見を活かして、人々の心の健康や生活の質を向上させる支援方法

例えば、うつ病のクライアントがどのような心の状態にあるのかを理解したり、効果的なコミュニケーション方法を学ぶことが含まれます。これらは、社会福祉士として現場で活躍する際に必須の知識です。

具体的に学ぶ内容

 マズローの欲求階層理論カウンセリングの種類クライエントの行動特徴と防衛機制心理療法などが頻出テーマです。過去問題では、例えばマズローの理論に基づく欲求の満たし方や、認知行動カウンセリングのアプローチ、家族カウンセリングの視点などが問われています。

以下のようなトピックが試験で問われることが多いです。

  • 心理学の基礎理論(例: パブロフの条件反射やフロイトの精神分析理論)
  • 人の発達段階(乳児期から老年期までの心の変化)
  • 心理的支援の技法(カウンセリングや面接の基本)

心理学というと専門的で難しそうに感じますが、この科目では基礎的な部分を学ぶため、しっかりとポイントを押さえれば得点源にすることができます


試験に出やすい重要分野

「心理学と心理的支援」の試験で特に重要とされるテーマをいくつか挙げてみます。

(1) 発達心理学

人間が成長する中でどのような心理的な変化を経験するのかを学びます。例えば以下のような内容が試験でよく問われます。

  • エリクソンの発達段階: 人は生涯にわたり「信頼」や「自律性」といった課題に直面します。これを理解することで、各年齢層への支援方法を学べます。
  • ピアジェの発達理論: 子どもの知的発達の過程を学びます。現場で子どもと接する際に役立つ知識です。

(2) 社会心理学

社会の中で人がどのように振る舞い、他者と関係を築くのかを学ぶ分野です。具体的には以下が重要です。

  • 同調行動: 周囲の人々の意見に影響される心理
  • スティグマ理論: 社会的な偏見や差別が心理に与える影響

(3) 心理的支援技法

実際の現場で役立つ技術に焦点を当てたテーマです。

  • カウンセリングの基本姿勢: 傾聴、共感、受容の技術
  • 認知行動療法: 考え方の偏りを修正することで、問題解決を目指す方法

これらの理論や技法は試験問題でも頻出です。過去問を分析することで重点的に勉強すべきポイントが見えてきます

図表での説明

1. 発達段階の理論(エリクソンの発達課題)

図解例: 発達段階と発達課題

発達段階年齢発達課題
乳児期0~1歳信頼 vs. 不信
幼児期1~3歳自律性 vs. 恥と疑念
幼児後期3~6歳自発性 vs. 罪悪感
学童期6~12歳勤勉性 vs. 劣等感
青年期12~20歳アイデンティティ vs. 役割の混乱
成人前期20~40歳親密性 vs. 孤独
成人中期40~65歳生産性 vs. 停滞
老年期65歳以上自我の統合 vs. 絶望

2. 心理的支援の技法(ロジャーズのカウンセリング理論)

表例: ロジャーズの3つの基本条件

基本条件説明
共感的理解クライエントの気持ちを深く理解し共感する能力
無条件の肯定的関心クライエントをありのままに受け入れる態度
自己一致カウンセラー自身が誠実であること

3. 学習理論の比較

表例: 主な学習理論の特徴

理論提唱者特徴
古典的条件付けパブロフ刺激と反応の関連性(例: 犬の唾液実験)
オペラント条件付けスキナー強化や罰による行動の変化
社会的学習理論バンデューラモデリング(観察学習)を通じた学習

4. ストレス理論(ラザルスのストレスモデル)

図解例: ストレスと対処の流れ

ストレッサー → 一次評価(脅威か無害か) → 二次評価(対処可能か) → 対処行動 → 結果(適応または不適応)

5. 感情の二要因理論(シャクター&シンガー)

表例: 感情の要因とその関連性

要因説明
生理的覚醒心拍数の上昇など身体的な反応
認知的評価状況や刺激をどのように解釈するか

6. 認知療法のモデル

図解例: 認知の仕組み(認知行動療法の基本モデル)

出来事 → 認知(思考) → 感情 → 行動

問題例

問題 1

次の記述のうち、ピアジェ(J. Piaget)の認知発達理論に基づく説明として最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 幼児期の子どもは自己中心的な思考を持つが、これは具体的操作期に解消される。
  2. 感覚運動期では抽象的思考が発達する。
  3. 形式的操作期では、具体的な物事に依存した推論が主となる。
  4. 前操作期では保存の概念を十分に理解している。
  5. 具体的操作期では自己中心性が最も高まる。

解答:1

解説:

ピアジェの認知発達理論では、子どもの認知は以下の4つの段階を経て発達します:

  1. 感覚運動期(0~2歳頃):感覚と運動を通じて周囲を理解する。抽象的思考はまだ発達していない。
  2. 前操作期(2~7歳頃):自己中心性が目立ち、他者の視点を理解するのが難しい。保存の概念も未発達。
  3. 具体的操作期(7~12歳頃):保存の概念を理解し、論理的な思考が可能に。自己中心性が減少し、他者の視点を理解できるようになる。
  4. 形式的操作期(12歳以降):抽象的、仮説的な思考が可能になる。

したがって、1の「幼児期の自己中心的な思考が具体的操作期に解消される」が最も適切です。


問題 2

次の事例を読んで、クライエント中心療法のアプローチとして適切な支援を1つ選びなさい。

事例
Aさん(30歳・女性)は、職場での人間関係に悩んでいると語り、相談室を訪れた。彼女は、「上司に認めてもらえないのが辛い」と涙ながらに話し、特に「自分は努力しているつもりなのに、それを理解してもらえないのが悔しい」と訴えている。

  1. 具体的な解決策を提示し、行動計画を一緒に作成する。
  2. Aさんの努力や感情を肯定し、共感的に傾聴する。
  3. 問題の原因を探るために職場の状況を詳細に調査する。
  4. 問題に対処するための心理テストを実施する。
  5. Aさんに職場を辞める選択肢を提案する。

解答:2

解説:

クライエント中心療法(ロジャーズの理論)では、相談者(クライエント)の感情や思いを尊重し、無条件の肯定的関心を持ちつつ共感的に傾聴することが重視されます。この方法は、クライエントが自らの内面を深く理解し、問題解決の力を引き出すことを目的とします。
したがって、2の「感情を肯定し、共感的に傾聴する」が最適です。


問題 3

次の記述のうち、行動療法における「系統的脱感作法」に関する説明として最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. クライエントに恐怖を引き起こす刺激に直接曝露させる方法。
  2. 恐怖刺激を段階的に提示し、リラクゼーションを組み合わせて克服を図る方法。
  3. 問題行動に対して厳しく罰を与えることで消去を目指す方法。
  4. クライエントの無意識の葛藤を明らかにする方法。
  5. クライエントに自分自身の感情を記録させ、自己理解を深める方法。

解答:2

解説:

系統的脱感作法は、ジョセフ・ウォルピが提唱した行動療法の一つです。この方法では、クライエントがリラクゼーション技法を学んだ後、恐怖や不安を引き起こす刺激に段階的に曝露されます。この際、恐怖の度合いが低いものから始めて徐々に強い刺激に移行することで、不安を軽減していきます。
1の「直接曝露させる」は暴露療法の説明であり、2が最も適切です。

私が紹介した問題例は、実際の過去の国家試験問題を基にした再現形式の例です。国家試験の正式な過去問題集を直接使用したものではなく、試験傾向や関連する情報を踏まえて作成しています。以下に、実際の参考文献や資料を得る方法を示します。

公式資料と参考文献

1. 過去問題集(公式または出版社発行)

   – 一般社団法人 社会福祉振興・試験センターが提供する試験情報。

     – [公式サイト](https://www.sssc.or.jp/)で問題傾向や参考資料を確認できます。

   – 市販されている「社会福祉士国家試験過去問題集」も役立ちます(中央法規出版など多数)。

2. 過去問解説書

   – 中央法規出版やミネルヴァ書房などから出版されている過去問題集。

   – 「社会福祉士国家試験受験ワークブック」シリーズには過去問の解説が豊富。

3. 学術書・参考書

   – 社会理論や社会学を学ぶための基礎書籍。

     – 『社会福祉士国家試験対策 基礎力テキスト』(中央法規出版)。

     – 『現代社会学理論と福祉』(ミネルヴァ書房)。

注意点

試験問題の具体的な再現や転載は著作権の問題が伴うため、公開されている情報を参考にし、適切に加工した形で提供しています。正確な情報や実際の過去問そのものを入手したい場合は、公式の資料や出版社が提供する問題集を購入・閲覧するのが確実です。

効果的な勉強法の提案

広範囲な「心理学と心理的支援」の内容を効率よく学ぶには、以下の方法を取り入れることをおすすめします。

(1) 過去問を徹底的に活用

過去問は出題傾向を把握する上で最も有効な教材です。以下のステップで活用すると効果的です。

  1. 過去3〜5年分の問題を解く
  2. 間違えた箇所を中心に解説を読む
  3. 同じテーマの問題を繰り返し解く

(2) 視覚的な学習を取り入れる

心理学の概念は図やイラストを使って学ぶと記憶に残りやすいです。例えば、エリクソンの発達段階を図にまとめたり、ストレスモデルを図解することで理解が深まります。

(3) 具体例でイメージする

理論だけでなく、具体例を一緒に覚えると効果的です。たとえば、「認知行動療法」は、「不安が強いクライアントにどのように活用するか」というシナリオで考えると現場でのイメージがつきやすくなります。


まとめ

「心理学と心理的支援」は一見難しく感じるかもしれませんが、重要なポイントを絞り、効率よく学ぶことで確実に得点源にできます。また、この科目を学ぶことは、社会福祉士としてのスキルアップにつながり、現場での支援力を高めます。

まずは、過去問を活用しながら基本理論を確実に理解することから始めましょう。わからない部分は図解や具体例を活用して補い、楽しく学びを深めてください。心理学の知識を味方に、試験突破と現場での活躍を目指しましょう!

参考文献

[1] 第26回 問題8~14 心理学理論と心理的支援 https://esw.dialogs.jp/past-questions/16th-8-14/
[2] [精神保健福祉士国家試験]過去の試験問題 https://www.sssc.or.jp/seishin/past_exam/index.html
[3] [社会福祉士国家試験]過去の試験問題 – 社会福祉振興・試験センター https://www.sssc.or.jp/shakai/past_exam/index.html
[4] 社会福祉士国家試験(平成21年度・第22回) 問題文 http://www.caresapo.jp/shikaku/shakai/sokuhou/h21/83dn3a000000mdtx.html
[5] 社会福祉士「心理学理論と心理的支援」の過去問一覧(1/2) https://kakomonn.com/shakaifukushi/list2/560002?page=1
[6] 精神保健福祉士「心理学理論と心理的支援」の過去問一覧(1/2) https://kakomonn.com/seishinhoken/list2/120008?page=1
[7] 心理学理論と心理的支援 過去問編 – YouTube https://www.youtube.com/playlist?list=PLTimwm41fQK5k_WgEpYILj4Y5f8d565h7
[8] 重要過去問解説②「心理学理論と心理的支援」第35回社会福祉士 … https://www.youtube.com/watch?v=T4yyyKDbtGs

コメント

タイトルとURLをコピーしました