介護のシフト作成・勤怠管理にAIは使える?人材マネジメントの視点から

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はじめに

「シフト作成に、毎月何時間もかかっている」。介護施設で管理者やリーダーの立場にある方にとって、シフト作成はとても頭を悩ませる業務の一つではないでしょうか。職員一人ひとりの希望や、資格の有無、勤務条件を調整しながら、穴のないシフトを組み上げる作業は、まさにパズルのような大変さがあります。

この記事では、介護施設のシフト作成・勤怠管理に、AIをどう活用できるのかを、人材マネジメントの視点からお伝えします。管理業務の負担を軽くするヒントとして、読んでいただけたらうれしいです。


シフト作成が難しい理由

介護施設のシフト作成が難しいとされる理由には、いくつかの要因があります。まず、24時間体制でケアを提供する施設が多く、日勤・夜勤・早番・遅番といった、複数の勤務パターンを組み合わせる必要があることです。加えて、夜勤帯には一定の人数を確保しなければならないなど、安全なケア提供のための最低限の人員配置を守る必要もあります。

さらに、職員一人ひとりの希望休や、資格の有無(たとえば夜勤に対応できる資格を持っているかどうか)、体力面での配慮が必要な職員の有無など、考慮すべき条件が多岐にわたります。これらすべてを手作業で調整しようとすると、担当者には大きな負担がかかり、時間もかかってしまいます。人手不足が深刻な介護業界だからこそ、限られた人数でシフトを組む難しさは、より一層増しているといえるでしょう。


AIがシフト作成に貢献できる部分

こうした複雑な調整作業は、実はAIが得意とする分野の一つです。複数の条件(必要な人員数、職員の希望、資格の有無など)を踏まえたうえで、最適な組み合わせを導き出すという作業は、人が手作業で行うよりも、AIを活用したシステムの方が、素早く候補案を出せる可能性があります。

介護業界向けに、シフト作成を支援するAI・ICTツールも登場してきています。職員の希望や条件をシステムに入力しておくことで、条件を満たすシフト案を自動的に作成し、担当者はその案をもとに微調整を行う、という使い方が想定されています。ゼロから手作業でシフトを組むのに比べて、大幅な時間短縮が期待できます。

また、勤怠管理の面でも、AIやICTの活用が進んでいます。出退勤の記録や、残業時間の集計といった作業を自動化することで、給与計算や労務管理にかかる事務作業の負担を減らすことができます。こうした業務効率化は、限られた管理者の時間を、より現場に近い課題への対応に振り向けることにもつながり

具体的なAI・ICTツールの例

実際に、介護施設向けのシフト作成AIツールとして、確認できるものをいくつかご紹介します。

ミラモス(コニカミノルタ)

ミラモスは、人員配置基準、勤務間インターバル、職員同士の相性、スキルのバランスといった、介護施設特有の複雑な条件を踏まえてシフト案を提案するAIソリューションです。各種加算の要件を含めて人員配置基準を満たしているかをAIが自動でチェックする機能もあります。定員70人のある特別養護老人ホームでは、導入から数ヶ月で、シフト作成にかかる時間がおよそ半分にまで短縮されたという事例が、専門メディアで報告されています。

Shiftmation(シフトメーション)

シフトメーションは、AIによる自動作成ボタンを押すだけで、職員の希望シフトと事業所ごとの勤務条件を踏まえたシフト案を、約5秒で作成できるとされるサービスです。スマホからの希望シフト提出や、確定後の自動配布にも対応しています。
シンクロシフトは、独自のAIアルゴリズムにより、希望休の集計や複雑なシフト配置を自動化し、夜勤などの負担が特定の職員に偏らないよう、均等な配置を行う機能を持つサービスです。加算要件のチェック機能や、既存の勤怠管理システムとの連携にも対応しているとされ、1ヶ月間の無料トライアルも用意されています。
このほかにも、「ほすぴタッチ」「ジョブズマイスター for 介護福祉」「CareBiz AIシフト」など、介護施設向けのAIシフト作成ソフトは複数登場しています。いずれも、料金や詳細な機能は個別見積りとなっている場合が多いため、導入を検討する際は、無料トライアルや資料請求を通じて、自分の施設に合うかどうかを確認することをおすすめします。


導入・活用するときに大切な視点

シフト作成AIを導入する際、大切なのは「最終的な調整は人が行う」という原則です。AIが出した候補案は、あくまで条件を満たす一つの案であり、職員一人ひとりの事情や、その時々の状況を踏まえた、きめ細やかな配慮は、これまで通り管理者の判断が必要になります。たとえば、家庭の事情で急な休みが必要になった職員への対応や、職員同士の相性なども考慮した調整は、AIだけでは完結しません。

また、AIを活用したシフト作成システムを導入する際は、職員に対して、なぜ導入するのか、どんなメリットがあるのかを、丁寧に説明することも大切です。「AIに管理される」という不安を感じさせないよう、あくまで「担当者の負担を減らし、より公平なシフトを組むための道具」であることを伝えることが、スムーズな導入につながります。

そして、こうしたシステムを導入する際の費用対効果も、慎重に検討する必要があります。前回の記事でもお伝えしたとおり、専用のAI・ICTツールは、料金体系がさまざまで、個別見積りとなっている場合も多くあります。無料デモや資料請求を活用し、自分の施設の規模や課題に合ったツールかどうかを、しっかり見極めてください。

シフト作成を担当していた時期、慢性的な人手不足の中で、毎月頭を悩ませていたのを覚えています。特に大変だったのは、子育て中の職員が夜勤に入れない事情や、月ごとに変わる行事の予定、職員それぞれの希望休が重なり合う中で、必要な人数を確保しながら組み合わせを考える作業でした。まるでパズルのピースを一つひとつはめ込んでいくように、「ここを動かすと、あちらが崩れる」という調整を、何度も繰り返していたことを思い出します。ようやく一つの案ができたと思っても、急な欠勤の連絡が入り、また一から組み直すということも珍しくありませんでした。あの頃、もし条件を伝えるだけでいくつかの候補案を出してくれる仕組みがあったなら、あの膨大な調整時間を、もっと別のことに使えていたはずだと、今でも思います。


よくある質問(Q&A)

Q1.AIにシフト作成を任せれば、担当者の仕事はなくなりますか?
いいえ、なくなりません。AIが出す候補案をもとに、職員一人ひとりの事情を踏まえた最終調整を行うのは、引き続き担当者の重要な役割です。AIは、その調整作業の負担を軽くする道具として位置づけられます。

Q2.小規模な施設でも、シフト作成AIは導入できますか?
規模の大小にかかわらず導入は可能ですが、費用対効果を慎重に検討する必要があります。まずは無料デモなどで、自分の施設の規模に合っているかを確認することをおすすめします。

Q3.勤怠管理にAIを使うと、どんなメリットがありますか?
出退勤の記録や残業時間の集計といった作業が自動化されることで、給与計算や労務管理にかかる事務作業の負担を減らすことができます。


まとめ

今回は、介護施設のシフト作成・勤怠管理におけるAI活用について、人材マネジメントの視点からお伝えしてきました。

  • シフト作成は、複数の条件を同時に満たす必要があり、大きな負担になりやすいこと
  • AIは、複雑な条件調整を素早く候補案として出すことに貢献できること
  • 勤怠管理の自動化も、事務作業の負担軽減につながること
  • 最終的な調整と、職員への丁寧な説明は、引き続き管理者の重要な役割であること

管理業務の負担が軽くなれば、その分、職員一人ひとりと向き合う時間や、現場の課題に取り組む時間を増やすことができます。無理のない範囲で、自分の施設に合った活用方法を検討してみてくださいね。

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